こんにちは、フィギュア買取研究所のこーりーです。
フィギュアの保管方法、気にしてますか?
実はフィギュアの劣化の原因で多い理由が、「紫外線」。
この記事では、フィギュアが紫外線によってどのように劣化するかを解説し、さらに効果的な紫外線対策方法をお伝えしていきます。
フィギュアコレクターとしてはなんとも悩ましい問題ではありますが、ぜひ今回の記事を参考に、対策を立ててみてはいかがでしょうか?
そもそもなぜフィギュアは紫外線で劣化するのか
直射日光が当たる場所にフィギュアを置くのがいけないのは分かるけど、どうしていけないのか?そこが分かった方が適切に管理ができるというもの。
ちなみに、経年劣化は何もフィギュアに限ったことではありません。
街で見かける標識やポスター、壁なども、色があせて本来の色味を失っているものがほとんどです。
書籍も長期間日光に当たると変色し、紙が触っただけでボロボロと崩れるように風化しているのを見たことがある人も多いはず。
そんな色あせや劣化を起こす紫外線ですが、フィギュアにおいては主に2つ原因があります。
それが「紫外線ダメージ」と「フィギュアの温度が上昇することによるダメージ」です。
紫外線ダメージ
紫外線によるダメージで問題になってくるのが「色褪せ」や「変色」、「黄ばみ」です。
色褪せは何もフィギュアに限ったことではなく、室内でも普段から日光がよく当たる場所の家具や本の日焼けや色あせ、破損の原因にもなっています。
さらにフィギュアに使用されている原料が紫外線によって分解されてしまうことで、フィギュアの強度が低下しひび割れや破損のリスクも高まります。
紫外線と色褪せの関係に関しては「東京都クリーニング生活衛生同業組合H.P.」にて詳しく解説がありますのでぜひご参考ください。
温度上昇によるダメージ
フィギュアを直射日光の下に長時間さらすと、フィギュアの表面温度が上昇し、熱を持つことがあります。
室内でも油断は禁物で、締め切った部屋の温度は上がりますし、時間帯によってはフィギュアに直射日光が当たっているなんてことも。
そうなると問題になってくるのが、フィギュアの材料に使われている可塑剤という成分です。
これはフィギュアを成型しやすくするために添加物として入れられるものですが、この可塑剤は高温になると気化してフィギュアから抜けていきます。
その際通気性の悪い場所でフィギュアを保管していた場合は、可塑剤の逃げ場がなく、フィギュア表面に残り「べたつき」の原因に。
それだけではなく、フィギュアの温度が上昇し素材や塗装に影響を与えた場合には素材の強度が下がるので、「変形」「軟化」「ひび割れ」を引き起こす原因ともなります。
フィギュアを長期間置いていると日焼けしてしまうのか?
結論から言うと、色あせするので、フィギュアによっては日焼けしたように見えることもあるでしょう。
人肌のように黒くなることはありませんが、日光に含まれる紫外線がフィギュアの塗装や素材そのものに影響を与えることで、色あせや変色、劣化を引き起こします。
特に長時間日光にさらされることで劣化は進行し、フィギュア本来の造形美や色彩が損なわれる可能性も出てくるでしょう。
実は紫外線は窓ガラスを通過し、室内にも入ってきます。
日が照っていなくても、多少の天気や季節の差こそあれ、紫外線量は変わらず受け続けているということを知っておくことが重要です。
具体的に礼を挙げると、黄色、赤、紫などは紫外線の影響で変色しやすく、白、黒、青は変色しにくいといわれています。
塗装業者であるカナルペイントH.P.では、変色しやすい色、しにくい色がご紹介されているので、興味があればぜひご確認ください。
フィギュアを日焼けから守る方法
今まで紫外線によるフィギュアの劣化についてお伝えしてきましたが、デメリットしかないこの状況、どうにかして紫外線から大切なフィギュアを守りたいと思ったはず!
ここではどのような方法でフィギュアを紫外線から守ることができるかをご紹介していきます。
直射日光を避ける
今までお伝えしてきたように、フィギュアは紫外線の影響で劣化が早まります。
なるべく直射日光の下に置かないよう注意しましょう。
特に窓際や外部に近い場所は避けるべきです。
定期的に場所を動かす
フィギュアの配置を定期的に見直すことで、日光の影響を均等に分散させることができます。
それによって一部のフィギュアが著しく劣化するのを防ぐことができるでしょう。
UVカットグッズの活用
こちらは後程詳しくご紹介しますが、今ではUVカットできる様々なグッズが登場しています。
「推しフィギュアは見えるところに飾っておきたい」
「でも紫外線の影響は受けたくない!」
そんな時はぜひUVカットグッズを活用してみてください。
フィギュアの日焼け防止に効果的なグッズや保管方法
フィギュアの劣化を防ぐためには、紫外線からしっかりとフィギュアを守る保管方法を活用することが重要です。
ポイントになるのは、
- 保管場所
- UVカットアイテムの活用
この2点です。
ちなみにUV加工といっても半永久的に持つとは限らず、アイテムによってその耐久年数は様々。
そちらを考慮したうえで、ここではフィギュアの保管における紫外線防止に効果的な方法を詳しく解説していきますので、ぜひご参考ください。
UVカットのフィギュアケース
フィギュアケースはフィギュアを保護する上で最も取り入れやすく効果的な方法です。
ケースを活用することで、フィギュアを紫外線だけではなく埃やたばこの煙などからも守ることができます。
UVカットスプレー
こちらはフィギュアに直接UVカットスプレーを吹き付けるという方法です。
正直スプレーなら何でもいいというわけではなく、フィギュアに使われている塗料との相性も考慮する必要がありますし、スプレーの種類を間違えると素材に影響を与えてフィギュアが劣化したりと、フィギュアに対するリスクが大きすぎるためにあまりおすすめはしません。
ガラスのフィギュアケースにガラス専用のUVカットスプレーを吹きかけるなどの目的で使うといいかもしれません。
アクリルやポリスチレン系のケースだと、スプレーの溶剤の影響で曇る可能性が多いので注意が必要です。
UVカットシート
UVカットシートを活用することで、紫外線をカットすることができます。
フィギュアケースや棚だけではなく、部屋の窓ガラスに張ってもいいでしょう。
これだけでも紫外線によるダメージは軽減されます。
UVカットシートはカットサイズに合わせて調整できるため、様々なサイズのフィギュアに対応可能で扱いやすいのもポイント。
透明なシートを使用することで、フィギュアの見た目を損なうことなく保護が可能です。
遮光カーテン・UVカットレースカーテンの活用
フィギュアを保管する部屋には遮光カーテンを取り付けることで、日光の影響を最小限に抑えることが可能です。
遮光カーテンは直射日光を遮ることで紫外線をカットします。
しかし遮光カーテンはどうしても日中部屋が真っ暗になってしまうので、フィギュア専用の部屋でない限りはあまりおすすめできません。
もし部屋を暗くしたくないなら、UVカット加工がされたレースカーテンを検討してみましょう。
通常のカーテンには遮光効果はありません。
カーテンで紫外線を防ぐ場合は必ず遮光やUVカットと書かれたカーテンを選びましょう。
もし遮光カーテンを使用する場合は、以下のように部屋の一部を区切るのもおしゃれです。
ウォークインクローゼットをフィギュアスペースに改造
フィギュアを多数保管する場合、思い切ってウォークインクローゼットをコレクションルームに改造するのも手です。
クローゼット内は日光が直接入りにくく、照明を適切に配置することでフィギュアを美しく保つことができます。
さらに観賞したい時だけクローゼットの扉を開けばいいだけなので管理も簡単。
また、クローゼット内の湿度や温度も比較的安定しており、劣化を防ぐ上で適している環境と言えます。
下記のような雰囲気でフィギュアを飾るのもおすすめです。
色々ご紹介しましたが、その中でも筆者一番のおすすめは、手軽にできるフィギュアケースの活用です。
紫外線対策ができるフィギュアケースご紹介
フィギュアを保護するためには、適切なフィギュアケースの選定も重要です。
特にUVカット機能を備えたケースは、紫外線からのダメージを最小限に抑える効果があります。
以下では、UVカット機能を備えたフィギュアケースの選び方とその特長について詳しくご紹介します。
ちなみに、UV加工以外のフィギュアケースの選び方に関しては、過去の記事でも詳しく解説しているので、ぜひこちらもご参考ください。
材質
フィギュアケースの材質は大きく3つに分けられます。
- ガラス:透明度が高く重量があり、高級感が感じられる。キズに強いが割れやすく扱いは慎重にする必要がある。
- アクリル:プラスチックの一種。ガラスの10倍の強度。ガラスの代用に使われるほど透過性が高い。
- ポリスチレン:プラスチックの一種。一番安価で100均でも手軽に手に入れられる。透過性はガラスやアクリルには劣る。
これらの素材を用途に応じて選ぶようにしましょう。
UVカット効果の確認
UVカット効果はついているものといないものがあるので、必ず確認しましょう。
商品説明をみて終わるのではなく、実際のレビューも参考に、その性能を確認しておくことも重要です。
蛍光灯とLED照明の違いは?どっちがおすすめ?
フィギュアを飾る際には、紫外線という観点から言うと照明選びにも注意が必要です。
一般的には蛍光灯やLED照明がよく使われていますが、ここではそれぞれの特徴や紫外線量を比較し、どちらがフィギュアの照明に適しているかを解説します。
蛍光灯とLED照明の紫外線量比較
蛍光灯とLEDの特性上、従来の蛍光灯は紫外線量が多いのに対し、LEDは紫外線をほとんど放出しません。
LEDの紫外線量を1とすると、蛍光灯は100、太陽光は10,000となります。
この点から見ると、LED照明の方がフィギュアに対する紫外線の影響を軽減する可能性が高いと言えます。
蛍光灯とLED照明の熱量比較
フィギュアの保護を考える上で、紫外線対策だけでなく、熱の発生や色温度の安定性も重要です。
LED照明は一般的に低発熱であり、色温度や明るさの調整が容易です。
それに引き換え蛍光灯は熱を持ちやすく、長時間使用すると触れなくなるくらい熱くなるなんてことも。
今までお伝えしてきたように、フィギュアは高温に弱いです。
せっかく日光による紫外線を避けても、蛍光灯による紫外線と熱の影響を受けたら意味がありません。
さらに、LED照明は蛍光灯と比較して寿命が長く、コスパもいいものが揃っています。
総合的に考えると、LED照明がおすすめです。
LEDライトの選び方については、ぜひ過去の記事もご参考ください。
日焼けしたフィギュアの修復方法について
色褪せたフィギュアは元に戻るのか?
結論から言うと「No」です。
予防が大事。
でもどんなに予防しても、色あせしてしまうものは仕方のないこと。
すでに色あせ劣化してしまったフィギュアなら、処分する前に思い切って以下の方法で修復してみてはいかがでしょうか?
リペイント(再塗装)
ここでは色あせしたフィギュアをリペイントする方法をご紹介します。
元の色味に塗りなおすのもいいですが、最近はアニメ塗りも流行っているので、まるで二次元のようなフィギュア作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?
リペイントは繊細な作業であり、工数もかかります。
しかしフィギュアの新たな楽しみ方につながるので、興味があればぜひチャレンジしてみてください。
日焼けしたフィギュアは価値が下がるのか
もし将来的に売ることを考えているのであれば、フィギュアの色あせや劣化は価値が下がる原因になります。
フィギュア買取会社の公式ホームページで同じフィギュアが高額買取されていたから、意気揚々と査定依頼に出したら減額されていた…
フィギュアの保管状況が悪ければ、そういったことも起こりえます。
フィギュアが日焼けしていた場合は、査定時減額を覚悟した方がよいでしょう。
そうならないためにも日頃からの紫外線対策は必須です。
まとめ
今回は紫外線がフィギュアに与える影響と、それを予防する方法を5つご紹介しました。
紫外線の影響で劣化したフィギュアは、どうしてもその価値は下がります。
それを防ぐためには、
- 直射日光を避ける
- UVカットアイテムを効果的に使う
- LED照明を使用する
ことをポイントとしてお伝えしてきました。
それでもフィギュアの色あせや劣化はどうしても起こりえます。
その場合は、思い切ってリペイントしてさらにフィギュアを楽しんでもいいでしょう。
ぜひ今回の記事を参考に、大切なフィギュアを長く楽しく楽しんでいただけると幸いです。
過去の記事でもフィギュア保管について解説しているので、ぜひご参考ください。
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